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返礼品の中身が違っても、受けた控除は減らない。ふるさと納税で払うお金は品物の代金ではなく寄付だからだ。

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「越前がに」の加工品に水がにが半分以上

町の発表では1事業者の2商品

町に表示の取り消し、会社に再発防止

今のところ返金も代わりの品も予定なし

控除は寄付した金額で決まり減らない

福井県越前町は9月24日、ふるさと納税の返礼品で「越前がに」と表示した加工品に、別のカニを使っていたと発表した。原材料の半分以上が、脱皮したばかりで殻が柔らかい「水がに」だった。すでに受けた控除は減らない。控除は、寄付した金額から2,000円を引いた分をもとに計算するからだ。返金も代わりの品も、今のところ予定されていない。

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国は表示を消すことと再発防止を命じた

農林水産省は9月24日、町に表示を消すことなどを求める命令を出し、10月6日には加工品を提供していた会社にも、再発防止を求める命令を出した(NHK)。「越前がに」は2018年、地理的表示(GI)保護制度に登録された。産地と結びついた名前を国に登録する制度で、その名前は、登録された産品と、それを主な原料にした加工品に使える。買う人は、名前で産地を見分けられる。

福井県は、越前がにを県内の港で水揚げされるズワイガニと説明している。町は発表で、脱皮直後の水がには「越前がに」に当たらないとした。原材料の半分以上が水がにの加工品に「越前がに」と表示すれば、この制度に違反する。この制度を定めた法律は、農林水産大臣が表示を消すことなど必要な措置を命じられると定めている。寄付した人に金銭や品物を返すよう求める定めは、条文に無い。

「越前がに」の加工品に別のカニ、受けた控除は減るの?
写真:さかおり/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

控除は寄付した金額で決まる

総務省の説明では、ふるさと納税の控除は「ふるさと納税額−2,000円」をもとに計算し、所得税と住民税から差し引く。この2,000円は自己負担で、控除の対象にならない。寄付した金額だけが計算に入り、返礼品の中身は入らない。 だから、カニの表示と中身が違っていても、すでに受けた控除は減らない。受けた控除をさかのぼって取り消すという説明は、総務省のページにも町の発表にも無い。

寄付の履歴に越前町のカニがあるか見る

共同通信は、11事業者の返礼品がこの制度に違反していて、これらを選んだ寄付が計約5,100件、約1億2,000万円にのぼると伝えている。町が発表しているのは、原材料の半分以上が水がにだった1事業者の2商品と、複数の事業者が「越前」を冠して表示していた返礼品だ。事業者の数は町が示していない。

町の発表では、この2商品に関連する返礼品のうち、2020年9月から2026年4月までに提供したものが対象になる。自分が対象かどうかは、ふるさと納税のサイトや確定申告の控えに残る寄付の履歴に、この期間の越前町のカニの返礼品があるかで確かめられる。ただし、そのうちどれが該当する商品かを町は公表していない。町は該当する返礼品の掲載を停止した。

GI法に寄付した人へ返す定めは無い

買い物なら、頼んだ物と違う品が届けば、代金が返ってくるか、品を取り替えてもらえる。ふるさと納税で払うお金は自治体への寄付として扱われ、返礼品はその礼として送られる品だ。表示が直されても、返金や代わりの品を出すかどうかは越前町が決めることで、町は現時点で予定していない⁠(共同通信)。

越前町は発表で「ふるさと納税返礼品の表示責任者である町が、GI保護制度及びGI法についての理解が十分でなかったためであり、町の責任であります」と書いている。担当課は水がにを越前がにの一種と考えていたため、2025年10月に北陸農政局から照会を受けたときは表示の問題と考えず、2026年4月に掲載を停止した。

越前町は、対象になる寄付をした人へ順次、個別に連絡して謝罪するとしている。町はカニに関連する返礼品の掲載も停止していて、再開する日は、町も報道も示していない。町は、新たに知らせるべきことが生じれば改めて報告するとしている。

出典

一次資料3件・報道2件

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記事番号 2026-10-07-02 誤りの指摘と訂正の記録