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旧敵国条項を消すには、常任理事国5か国すべての批准が必要だ。総会の多数決では決まらない。

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旧敵国条項は、第二次世界大戦時に敵国だった国に対する措置について、安保理の許可なく措置を講じることができると定めた条文だ。消すには国連憲章の書き換えが必要で、鍵は常任理事国5か国がそれぞれ持つ。

条項が消えても私たちの暮らしにただちに影響するものではない。だが、「反対した国」への見方は変わる。

STRUCTUREこの記事の構造

憲章に「敵国」への言及が残る

1995年の決議は削除ではない

削除には憲章改正が必要(第108条)

5か国のうち1か国で止まる

「反対」は鍵を持つ国だけが効く

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安保理の許可なしに動ける例外

2026年9月22日、高市早苗首相が国連総会の演説で、この条項は早急に削除されるべきだと述べた。中国外務省は23日、これに反発したと報じられている⁠(毎日新聞)。

旧敵国条項の中心は、憲章の第53条だ。地域ごとの取り決めで強制行動を取るには、安保理の許可が必要だ。大戦の敵国だった国が侵略政策を再び取ることに備える措置は、その例外とされた。

だから、これは罰を科す条文ではない。安保理の許可なしに動く余地を残す条文だ。

国連本部の総会議場(米ニューヨーク)
写真:Basil D Soufi/Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

1995年の決議は削除ではない

「敵国」への言及は、第53条を含めて憲章に3か所ある。1995年、国連総会は決議50/52を採択した。この3か所は時代遅れになった、と総会が認めた。それでも条文は消えていない。決議の第3項は、第108条の手続きを開始する意図の表明にとどまる。つまり、時代遅れだと認めることと、条文を消すことは別だ。

止めているのは反対ではなく第108条

憲章の改正はまず、第108条により総会の3分の2で採択される。それでも効力は出ない。加盟国の3分の2が批准して、はじめて条文が変わる。批准は、国が正式に受け入れる手続きを指す。

この3分の2に、常任理事国5か国すべてが入らなければならない。常任理事国は中国、フランス、ロシア、英国、米国だ。総会の多数 ≠ 条項の削除。常任理事国の1か国が批准しなければ、条文は変わらない。だから止めているのは、鍵を5か国に分けた設計だ。

日本も削除だけを切り離せない

2009年の政府答弁書は、削除を求める姿勢を条件付きで示している。安保理改革など、憲章の改正が必要になりうる事情を勘案し、適当な機会をとらえる、という条件だ。高市首相の演説も同じ形だ。

つまり、削除は安保理改革に不可欠な憲章改正の枠組みの中で行いたいというのが日本政府の姿勢だ。中国が反対したことは事実だ。だが反対が効くのは、その国が批准の鍵を持っているからだ。

旧敵国条項は時代遅れと認められたまま、30年以上も憲章に残っている。確かめるのは、声を上げた国の名前ではなく、その国が批准の鍵を持つかどうかだ。

出典

一次資料5件・報道1件

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記事番号 2026-09-24-03 誤りの指摘と訂正の記録