SERIES連載

国が​借金してお金を​使った​とき、​経済は​借金より​速く​大きくなるのか。

全7回の問い

​財務省と​会田卓司氏・​永濱利廣氏の​共通点と​見通しの​違いを、​1回に​1つの問いで​確かめます。​最終回では、​比率が​改善した​理由と、​今の資料では​決められない​点を​整理します。

  1. 公開:2026年10月21日

    【第1回/全7回】国の借り入れは本当に30兆円未満か 補正予算を足すと2025年度は約40兆円

    SIGNAL答え高市首相の​「新規国債​30兆円未満」⁠は​当初予算ベースの​数字であり、​補正予算を​加えた​2025年度の借入額は​予算ベースで​約40.3兆円にの​ぼる。​2026年度の​第1次補正後予算は​約32.7兆円だ。​政府は​基本的に​増発しない​方針だが​災害時などの​例外も​あり、​第2次補正での​追加額は​確認した​資料では​未定だ。​また、​1年間の新規借入額と​借金の残高は​別であり、​予算上の​新規借入額は​元本返済額を​上回っている。

  2. 公開:2026年10月21日

    【第2回/全7回】高市政権、財政目標の中心を「債務残高の対GDP比」へ転換 財務省も会田氏・永濱氏も引き下げを目指す

    SIGNAL答え政府は、​単年度の収支を​示すPBの​黒字化期限を​撤廃し、​債務残高対GDP比を​安定的に​引き下げる​ことを​財政目標の​中心に​据えた。​借金の残高が​増えても、​名目GDPが​それ以上の​速さで​増えれば​比率は​低下する。​この比率の​引き下げを​目指す点は、​財務省・⁠財政審も​会田氏・⁠永濱氏も​同じだ。​ただし、​物価上昇だけで​比率が​下がり、​賃金が​追いつかない​場合は​家計の負担が​増すため、​実質成長が​伴っているかを​別に確かめる​必要がある。

  3. 公開:2026年10月21日

    【第3回/全7回】国の借金をまかなう国内資金は足りてきた 28年間、家計等と企業の資金余剰が政府の赤字を上回る

    SIGNAL答え1998年から​2025年まで28年間、​家計等と​企業の​資金余剰は​政府の​資金不足を​上回り、​国内全体で​余裕が​あった。​この間の民間の​資金余剰の​半分以上は、​金融機関も​含む企業部門の分だ。​今後は​企業が​国内投資を​増やして​余剰を​減らした​とき、​家計と​政府の動きも​合わせて、​国内の資金で​足りるかを​確かめる。

  4. 公開:2026年10月23日

    【第4回/全7回】人手不足なら、国の支出は物価を上げるだけか 財務省と会田氏、見方が分かれる理由

    SIGNAL答え需給ギャップが​プラスでも、​生産力を​限界まで​使い切ったとは​限らない。​基準と​なる潜在GDPは、​働き手や設備を​通常どおり​使った​ときの供給力を​推計した​数字だからだ。​財務省側は​人手不足なども​合わせて​余力が​小さいと​読む。​会田氏は​基準そのものが​長い低成長期の​動向に基づく​ため、​なお増産の​余地が​あると​読む。​見通しの​違いは、​この基準の​読み方から​生まれている。

  5. 公開:2026年10月24日

    【第5回/全7回】金利が上がっても、借金の対GDP比が上がるとは限らない 国が払う平均利率と成長率を比べる

    SIGNAL答え金利が​上がっても、​債務残高対GDP比が​上がるとは​限らない。​利払い​以外の収支が​ほぼ釣り合っていれば、​国が​借金全体に​払う​平均利率より​名目成長率が​高い間は、​比率は​下がりやすい。​市場の​長期金利と​平均利率は​別物なので、​同じ​年度の成長率と​並べて​確かめる​必要がある。

  6. 公開:2026年10月24日

    【第6回/全7回】財政の見通しが外れたら、家計に何が起きるか 支出の増減と修正の手順を比べる

    SIGNAL答え支出を​増やす政策にも、​抑える​政策にも、​外れた​ときの​家計のリスクが​ある。​会田氏は​企業投資の​回復が​途切れる​ことと、​回復後の​引き締めの​遅れを、​財務省側は​信認の低下を​恐れる。​会田氏は​過熱時の​上限⁠(ネットの​資金需要マイナス5%)⁠を​示すが、​投資不発時の​基準や増税の​実現性は​確認できない。​財務省・⁠財政審も、​修正手順や​需要不足時の​転換基準が​資料から​確認できない。

  7. 公開:2026年10月24日

    【第7回/全7回】国の借金の対GDP比はなぜ下がったのか 比率の改善と、暮らしを良くする成長を分けて確かめる

    SIGNAL答え借金の​比率の改善と、​暮らしを​良くする成長は​別に確かめる。 ​生産・⁠賃金・⁠国内投資の​伸びも追う。

資料編:計算式・⁠統計の​公表時期・⁠結果の記録欄