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国税庁の案では、親が亡くなる前5年以内に買った賃貸物件は売り買いの値段で評価する。それ以前に買った物件は、今回の見直しの対象から外れる。

出典訂正・更新

国税庁の案では、親が持つ賃貸アパートを継ぐとき、相続税の計算は親がその物件をいつ買ったかで変わる。節税を抑えるための見直しだが、税理士や会計士の団体もルールを明確にするよう求めていた。税率は変えず、買った時期に応じて物件の評価額の計算方法を変える案だ。

STRUCTUREこの記事の構造

親の物件を買ってから5年以内かで評価額を変える案

21.0億円の物件の評価額が4.2億円に

国税庁も税理士会もルールを求めた

対象となる物件の計算方法と、これまでの見直し

出典訂正・更新

親の物件を買ってから5年以内かで評価額を変える案

国税庁が9月18日から意見を募っている案は、賃貸用の不動産の評価方法を変える。亡くなる日や贈与した日の前5年以内に買ったり新築したりした物件が対象だ。その物件は、実際に売り買いされる値段にあたる金額で評価する。

2027年1月1日以後の相続や贈与で受け取った財産から、この計算方法を使う。遺言で受け取る分も含む。5年より前から持っている物件は、今回の見直しの対象から外れる。

21.0億円の物件の評価額が4.2億円に

法律は不動産の値段を「時価」としか書いていない。実際の評価額は、国税庁が決めるルール(通達)に沿って計算する。評価額とは、税の計算に使う不動産の値段のことだ。国税庁の資料に例がある。千代田区の一棟の賃貸マンションを21.0億円で買い、評価額は4.2億円だった。開きは4.99倍だ。

このように、買った値段と評価額には差がある。案では、5年以内に買った物件について、2027年から両者が「=」に近づくように評価方法を変える。

浅草神社の裏に建つ集合住宅(東京)
写真:Another Believer/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

国税庁も税理士会もルールを求めた

国税庁はこれまで、この例のように開きが大きいものだけを個別に高く評価し直してきた。最高裁は2022年4月19日、公平を欠く場合は通達より高く評価してよいと判断した。

この方法をめぐる訴訟等は増加傾向にあり、結論を事前に見通せないという批判があった。日本税理士会連合会は通達の見直しを、日本公認会計士協会は詳細な規定を求める文書を出していた。

通達案の趣旨には、評価の適正化と予測可能性の向上が並ぶ。国税庁の案は、評価額を適正にするとともに、税理士や会計士の団体が求めていた、評価額を事前に見通せるルールを示そうとしている。

対象となる物件の計算方法と、これまでの見直し

5年以内でも、買った値段がそのまま使われるとは限らない。例外として、買った値段が当時の相場に相当すると認められれば、別の計算が認められる。土地は地価の動きを反映した額、建物は古くなった分を引いた額の、それぞれ8割だ。

不動産の評価方法は、これまでも見直されてきた。2023年9月28日の通達は、分譲マンションなどが対象だった。一棟まるごと持つ賃貸マンションは対象に含まれていなかった。

こうして、購入価格と評価額の差を使った節税を抑えるため、物件の種類ごとに見直しが進んできた。この通達案への意見の受付は、2026年10月18日17時までだ。

出典

一次資料4件

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