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NOISEよくある受け取り方

名誉毀損で10か月も勾留は、長すぎる

SIGNAL答え

立花氏の勾留は、裁判官が毎月、証拠隠しのおそれなどを認める限り続く。その中身も、初公判が開かれない理由も公表されていない。

出典訂正・更新

元兵庫県議への名誉毀損罪で起訴された立花孝志氏は、10月1日時点で逮捕から326日、起訴から307日がたった。有罪か無罪かが決まる前の拘束(勾留)が続き、この事件の公判(法廷での審理)は一度も開かれていない。

公判の前に争点と証拠を絞る手続きに入らない事件なら、起訴から最初の公判まで平均1.9か月で、長いという受け止めには裏づけがある。ただ、手続きに入った事件なら平均13.1か月で、いまの約10か月はまだその平均に届いていない(どちらも2024年に地裁で審理を終えた事件の平均で、拘束されていない被告人も含む)。この事件がどちらに当たるかは分からず、長さだけでは異常かどうかを決められない。見るべきは、拘束を続ける理由のほうだ。刑事訴訟法に日数の上限は無く、続けるかどうかは更新のたびに裁判所が決めるが、その理由は明らかにされていない。

STRUCTUREこの記事の構造

勾留は1か月ごとに更新でき、理由がある限り上限は無い

名誉毀損で使える理由は主に証拠隠しのおそれ

初公判は決まらず、起訴から307日

同じ条文は、起訴された誰にでも使われる

出典訂正・更新

勾留の更新に回数の上限は無い

起訴後の勾留は2か月で、特に続ける必要があれば、裁判所は具体的な理由を付けた決定で1か月ごとに延ばせる(更新)。2回目からは、重い罪の事件であることや、証拠隠し(関係者との口裏合わせを含む)のおそれなど、限られた理由が必要になる。その理由がある限り、更新の回数に上限は無い。名誉毀損はこの重い罪にはあたらず、条文の上で主に使えるのは証拠隠しのおそれになる。

拘束が不当に長くなれば、裁判所が解かなければならない決まりもある。ただ、この決まりで解かれた人は、2024年も2025年も全国で0人だ。

神戸地方裁判所
写真:Oilstreet/Wikimedia Commons(CC BY 2.5)

保釈は少なくとも2回退けられた

神戸新聞によると、兵庫県警は口裏合わせや証拠隠しを警戒して、2025年11月9日に立花氏を逮捕した。立花氏側は、保証金を納めて外で裁判を待つ保釈を求めた。神戸地裁は2025年12月と2026年7月の少なくとも2回、請求を退けている。同じ地裁への不服の申し立ても、複数の裁判官が2回とも退けた。

何を恐れて保釈を認めないのか、条件を付けた保釈でなぜ足りないのか、どの理由で勾留を更新しているのかは、いずれも明らかになっていない。勾留を延ばす決定には具体的な理由を付けることになっているが、刑事訴訟法にその理由を公表する決まりは無い。公開の法廷で理由を聞けるのは、本人や家族などが請求して開く勾留理由開示だけで、この事件で請求されたかは報じられていない。

条件をつけて保釈する道もある

保釈には住居の制限などの条件を付けられ、破れば取り消せる。最高裁は2014年、別の事件で、最初に保釈を認めた裁判所の判断を支持した。最も重要な証人が法廷で証言した段階での判断で、関係者との接触禁止などを条件にしていた。

裁判所の中にも、保釈の判断を見直す動きがある。最高裁によると、2026年1月の保釈の研究会では、どんな証拠隠しのおそれかを具体的に特定することが重要だという意見が出た。8月には最高裁が、被告人が捜査の段階で事実を認めていた別の窃盗の事件で、一度認められた保釈を覆した決定を取り消した。最初の公判(初公判)の前だという、形式的な理由しか示していなかったためだ。どちらも立花氏の事件とは別の話だ。

初公判が決まらないまま拘束が延びる

初公判の期日を決めるのは神戸地裁で、時期は未定だ。保釈は、立花氏側が改めて請求すれば、裁判官が検察官の意見を聴いて、そのたびに判断する。初公判がまだ開かれない理由を、裁判所も検察も説明していない。

裁判官が、証人の話を法廷で聞くまで保釈しないと考えるなら、初公判が開かれない限りその時は来ない。ただ、検察官と被告人の側がともに同意すれば、証人を呼ばずに書面で調べることもできる。弁護側が何を争うのかは、まだ法廷で示されていない。

元県議の妻は起訴の日の会見で、「司法の場で検証され、責任が正しく問われることを強く求める」と述べた。その検証も、初公判が開かれるまで始まらない。

立花氏の勾留が続くのは、条文の上では、裁判官が1か月ごとの更新のたびに証拠隠しのおそれなどを認めてきたからだ。起訴された人なら、政治家でも会社員でも同じ条文が使われる。何を恐れているのかを外から確かめられないまま、一人の人間を裁判が始まる前からこれほど長く拘束することを、社会として許容するのか。この問いは、立花氏をどう見るかとは関わりなく成り立つ。

出典

一次資料7件・報道10件

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記事番号 2026-10-01-04 誤りの指摘と訂正の記録